日曜日, 3月 20, 2016

Big Dog アマゾン川に捨てられる?

 

Googleがロボット開発のBoston Dynamics売却を検討

 




Google の持株会社 Alphabet が、ロボット開発の Boston Dynamics を売却を計画していると報じられました。Bloomberg などによれば、Alphabet は収益をあげていない事業の売却を進めているとされ、数年以内に収益化可能な製品を持たない Boston Dynamics などがその候補にあがっているとのこと。


Google は2013年に Boston Dynamics や東京大学発のロボット開発ベンチャー SCHAFT などを買収するとともに、さらに複数のロボット技術開発部門を束ねて市販可能なロボットを開発する「レプリカント・プロジェクト」を計画していました。


しかしその後ロボット関連事業を束ねていた "Android の父" ことアンディ・ルービンが Google を去り、当の Google も科学分野や自動運転、洋上建築などといった、将来性を見込んだ事業の買収で進めた多角化が行き詰まり始めたことから持ち株会社の Alphabet を設立、Google を含む各事業をその傘下にぶら下げるといった大掛かりな組織改編を実行しました。


組織改編にあたりロボット事業はまだ単独で収益を出せる段階ではなかったため、 Boston Dynamics は最先端の研究をするものの未成熟な事業をまとめる Google X のいち部門として落ち着くこととなりました。ただ、その後はカリフォルニアと東京に拠点を置くレプリカント・プロジェクトと Boston Dynamics の関係構築もうまくいかないまま現在に至っていたとされます。


それでもBoston Dynamics は買収前と同様にロボット開発を進めており、4脚ロボット Big Dog の小型バージョン Spot や、"人並み"の大きさにまで小型化した人型ロボットAtlas のテストの模様を動画で公開していました。






ただ、これらの動画は技術系メディアからは称賛されつつも、あまりの進化っぷりに「人間の仕事を奪う脅威になる可能性」を伝える報道も出はじめました(それ以前にロボットを恐れていた人たちもいます)。また一方では、米国陸軍への導入を見込んでいた4脚歩行ロボット BigDog / LS3 が不採用通知を受け取るといった誤算もありました。収益はあげられず、ネガティブなイメージが拡散するといった問題への懸念が Boston Dynamics の売却へと動き始めた可能性も考えられなくはありません。




Bloomberg は、Boston Dynamics の売却先としてトヨタ研究所と米アマゾンの名前をあげています。

もしアマゾンが Boston Dynamics を買収するなら、巨大な倉庫で仕事中に集合を掛けられ「今日から一緒に働くことになった、Atlas くんだ。みんな、仲良くするように」と 逃亡癖のあるロボットを紹介される日も近いかもしれません。





 

 

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