火曜日, 1月 12, 2016

機械にコントロールされた世界 Bimek SLV

オン・オフできる男性向け避妊具 Bimek SLV 発表。陰嚢内にインプラントする切り替えスイッチ


独 Bimek が男性向け避妊具 Bimek SLV を発表しました。Bimek SLV は男性の陰嚢内をとおる精管に直接取り付けるオン・オフ弁で、男性機能を損なわず必要な期間だけ避妊することができます。


Bimek SLV は陰嚢の中にある精管に取り付けたスイッチを動かすことで、簡単に精子の分泌をシャットアウトすることができるインプラント型避妊具。その長さは25mm弱で重さは3グラムほどしかありません。

いったん Bimek SLV をインプラントすれば、男性は陰嚢の中にあるスイッチを 自ら操作し弁を閉じることができます。Bimek によれば、便を閉じれば、睾丸で作られた精子がそこで遮られ、精嚢にまで届くことはないとしています。ただ完全を期するならば、3ヵ月または射精30回の あいだは通常の避妊も併用すると間違いないとのこと。また、ふたたびオフ、つまり射精できる状態にしたい場合は、スイッチ裏側にあるロックボタンを押しな がら操作する必要があります。




インプラントに必要な施術時間はおよそ30分。Bimek は「仕事の昼休憩の時間に医者へ行ってインプラントを施すこともできます。術後も、男女ともにホルモン投与などの措置も必要ありません」とその手軽さをアピールしています。またスイッチをオンにして精子の流れを止めたとしても精子が流れないだけで、行為ができなくなるわけではありません。

一般にパイプカットなどの避妊手術を受けた男性のおよそ3割は、再び機能を復活させたいと考えるとされます。Bimek SLV を使えば、そうした男性にとってあとで後悔しないより安全な方法となるかもしれません。

なんとなく聞いているといい話ばかりのようにも思えますが、やはりリスクもまったくゼロというわけではなさそうです。ドイツの泌尿器科協会は、Bimek SLV を精管へ取り付けることによって、その部分に傷がつくことがありえると警告します。もしそうなれば、場合によってはスイッチをオフにしても精子が流れず、 そこにとどまってしまう可能性があるとのこと。また 、あるインプラントメーカーは Bimek SLV を構成する材質は体内の他の部分へのインプラントで実績があるものの、陰嚢内でも充分にに長い期間、問題なく使えるかどうかはわからないとしています。
 

とはいえすでにこの Bimek SLV を埋め込み、その機能を実感している人もいます。それは、Bimek を設立した Clemens Bimek 本人。Bimek は1998年にこの技術を思いつき、翌年には特許を取得。さらに Bimek SLV の開発を続け、2006年には本格的な試作品を完成させています。その後、倫理的に問題ないことを確認したうえで2度に渡って自分の体でテストを実施。 Bimek SLV が充分に機能することを確認しています。

Bimek では現在、スポンサーと25人ほどのボランティアを募集中。準備が整えば、臨床試験に移りたい意向です。