水曜日, 7月 01, 2015

『レトロ ThinkPad』製品化への意見募集中


古典デザインに最新技術の『レトロ ThinkPad』、製品化への意見募集中





レノボ製品になって10年が経とうとする ThinkPad の話題。IBM時代からThinkPadを手がけてきたデザイナーが、22年前の初代ThinkPad 700Cを継承するクラシックデザインに最新技術を投入した「レトロ ThinkPad」の製品化について歴代ユーザーの意見を求めています。



Retro ThinkPad を検討中であることを明らかにしたのは、IBMで20年に渡ってThinkPad等のデザインに携わり、現在はレノボでコーポレート・アイデンティティ&デザイン担当バイスプレジデントを務める David Hill氏。

Hill氏いわく、ThinkPad も初代の7000c以来、市場の変化に伴い無数の変化を遂げてきたが、どの変更にも喜ぶユーザーと喜ばないユーザーがいる。あらゆるユーザーを満足させるデザインはあり得るだろうか?と問いかけた上で、ThinkPadの特別なモデルとして、内部的には最新鋭の技術を採用しつつ、デザインではできるかぎり伝統を尊重した Retro ThinkPad の可能性を述べています。




同氏の言葉では、レトロThinkPadは「現代の技術を携えてタイムマシンに乗り込み、1992年に降り立った」コンセプト。また自動車産業ではマスタングをはじめ歴史からインスパイアされたデザインの新モデルが成功を収めているが、ThinkPadではどうだろうか? コンピュータ業界でそれができるのはThinkPadだけだろう、とも語っています (「1999年のトランスルーセントPC大流行を覚えているだろうか? わたしはなんとか忘れようと努力している」などと、流行ですぐにモデルチェンジを繰り返す他社へのDisりも忘れません)。

Hill氏の想定する レトロ ThinkPad は、7段キーボードやトラックポイント、16:10ディスプレイ、マルチカラーのロゴ、青いエンターキーなど伝統をできるだけ継承しつつ、厚さは初代の5cm超ではなく1.8cmなど、中身は新製品同様の技術を導入した製品。ThinkPad全体のデザインラインが復古主義に向かうわけではなく、伝統の実用デザインを評価する一部ユーザーのための特別モデルとして検討しています。

とはいえ具体的なハードウェア仕様が確定して予約を受付けているわけではなく、現在はリンク先のレノボ公式Blogで、需要や製品化へのアイデアを募っている段階です。


モデルチェンジのたびに改悪を嘆くユーザーは必ずしも「伝統」やDNAを惜しんでいるわけではなく、たまたま自分が買ったモデルで気に入った点の不採用が気に入らない場合も多い気もしますが、たしかにコンピュータの世界では、ThinkPadほど長きに渡りデザインの統一性が保たれている製品は稀です。「中身は最新のクラシックカー」的ノートを求めているかたは希望を伝えてみると、製品化への動きがあるかもしれません。