火曜日, 8月 19, 2014

王ヶ頭ホテル


標高2000mにある天空のホテル、王ヶ頭ホテルがとても良かった




結婚5年目兼36歳の誕生日の記念に、前々から泊まってみたかった長野県松本市にある王ヶ頭ホテルに泊まった。
テラスから見える雲海が見える絶景の宿」とか「山の上とは思えないホスピタリティ」とか美辞麗句が並ぶ情報がネットや雑誌の旅特集にさんざん載ってるけど、「子連れで行って問題ないか」など自分が事前に知りたかった情報はどこにもなかったので備忘録も兼ねて記録しておく。

都内から松本市内、そこからホテルまで

松本へは特急あずさで2時間強、松本駅近くから1日1回送迎バス(要事前予約)が出ている。
送迎バスはネットでの情報では「小さい、汚い」「揺れる。乗り物に弱い人にはおすすめできない」という情報だらけだったので、念のため事前に酔い止めを飲む。
子供も3歳になって酔い止めが飲めるようになったので「これはお山に行くための薬だよ」と解釈によっては非合法感溢れる言葉と共に薬を飲ませた。


肝心のバスは大型のきれいな観光バスで、道のりもカーブが多いコースではあるもののゆっくり進むので薬さえ飲んでおけば特に問題はない。
盛大に揺れるのは最後の最後、一般車両は入れないホテルまでの10分弱の道だけだがゆっくり徐行するので、特に問題はなかった。
ただしこれは春から秋までで、冬になると一般道路が通行止めになり舗装されていない特別なルートを走るようで、どうやらそっちは道が舗装されていない上にチェーンをタイヤに巻いて走るので盛大に揺れるらしい。ネットで悪評になっていたバスは冬の時期に出るバスらしい。一面雪景色の山も捨てがたいが乗り物に強くない人は冬以外に来たほうがいいと思う。
但し、マイカーがある人はビーナスラインという舗装されたゆるいルートの道路を走り、麓から送迎バスに乗ればいいらしいので、冬でもなんとかなるかもしれない。


チェックイン~家族風呂



チェックイン後、部屋に入る。今回泊まったのは一番安い和室8畳の部屋。
朝夕の食事付きで一人17,800円。初めて利用する場合は館内の説明や夕方からチェックアウトまでにあるイベントの数々の案内がある。
他のブログでも書いてあるが、このホテルはとにかくイベントが多い。
無料の食前酒やジュースの提供に始まり、宿周辺で撮影された写真のスライドショーにナイトツアー、朝は山頂へのバスツアーと山の上でありながらアクティブに色んなイベントに参加することも出来るし、のんびりデッキや室内で過ごすこともできる。ちなみにキッズスペースもあり、絵本や遊具も用意されていた。
泊まった当日は雲が多くホテル周辺も霧がすごかったが、景色を見ないことには始まらないと思い、子供を連れて外に出た。
外にでると霧が濃く少し先は何も見えないが、時折霧が晴れた時に広がる景色に心と身体が静止する。






http://instagram.com/p/qEAuHwk9Fu/

今回の滞在で嬉しかったことの一つはこの家族風呂だった。この家族風呂は温泉ではないが無料で利用できて、予約も必要なく空いていたら使っていいという、なんともユルい仕組み。
子供が多少はしゃいでも周囲を気にする事も無いので、ゆっくりと外の景色を見ながら入浴できてとてもリラックスできた。

夕食



夕食は長野の食材を中心としたコース料理。
焼きたてのイワナや和牛のステーキや佐久の鯉、最後のデザートに至るまで本当に美味しかった。
一番驚いたのは3歳の子供用に用意してもらった食事。
事前に卵アレルギーなので除去食ができるか相談したところ、「できる限り対応いたします」と電話で回答してくれていたが、「できる限り」なんてものじゃないレベル。
大人と同じイワナ塩焼きやミニサイズのステーキにサーモンの刺身、一番驚いたのは卵を使わずに揚げた天ぷら。デザートにフルーツの盛り合わせと卵不使用のミルクプリンまでついていた。
3歳には多すぎて半分近く大人が食べたけど、3,300円でこの内容の夕食に加え、朝食がつくのはすごいと思った。
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娘が食事に飽きた様子を見て、食堂担当の方が塗り絵セットを出してくれた。滞在中こういう細かな気配りがところどころにあった。
食後は王ヶ頭ホテル周辺の自然や星空を写した写真のスライドショーや子供向けの紙芝居があった。加えて本来であれば少しバスで山を降りて高原を散策するナイトツアーもあったが、霧が濃いため中止になり、ホテル内で輪投げがあったらしい。
自分は夕食に生ビールをと日本酒を2合ぐらい飲んだら高山の影響でベロベロに酔っ払ってしまい、スライドショーの前に部屋で即就寝。翌日、ホテルのスタッフに抱きかかえられて輪投げに興じる子供の写真を妻に見せてもらった。

朝焼け

ホテルの朝は早い。
前日泥酔して10時前には寝たこともあり、朝4時頃起きて朝焼けを見に行く。
ロビーには前の晩に夜食として提供されたふかしイモと大きなやかんに入った温かいお茶があり、同じ目的で早起きした人とお茶を飲みながら日が昇るのを待つ。




この景色を見て来てよかったと思った。

前日の夕食同様に豪華な朝食を食べ、周辺を散歩したりしてからチェックアウト。
チェックアウト後は松本駅までまっすぐ向かうコースと途中で山中の蕎麦屋に寄って昼食をとってから松本駅に向かう2つのコースがあった。
昼飯探しの手間が省けるので後者を前日に予約しておいた。


蕎麦屋は山菜を自分で天ぷらにして食べる山菜天ざる蕎麦で、事前にホテルに頼めば子供用の料理も出してくれる。
テーブルの間隔も余裕があり、忙しくなく蕎麦が食べられた。

自分が泊まった部屋は一番安いコースで17,800円だったが、宿での食事や送迎、滞在中の時間とサービスを考えると、適当な民宿に泊まりに行くよりもずっとコストパフォーマンスが高く、また行きたいと思えるホテルだった。スタッフのホスピタリティも素晴らしくて、子供に対する優しい気遣いはなかなか他のホテルでは見られないレベルで感動した。我家以外にも小さな子連れで滞在している方もいたし、子連れでの滞在もおすすめできる。
松本は新宿から特急が出ていて、金券ショップで切符を買うと往復で1万円を切るのも良いし、松本駅周辺も松本城や美術館や雑貨、昭和からある古い喫茶店など観光には事欠かないので、少し遠出するにはちょうどいい街だと思う。

来年は秋ごろ行ってみたい。


http://nanao.hatenablog.com/entry/ougatouhotel