水曜日, 7月 16, 2014

米軍の四脚ロボLS3|Boston Dynamics


米軍の四脚ロボLS3、海兵隊とRIMPAC演習に参加。Google傘下のBoston Dynamics開発





米軍の四足歩行ロボット LS3 が、海兵隊員とともに初のフィールド演習を実施しました。LS3 は従来から屋外での不整地踏破試験を実施してきましたが、今回は自衛隊も参加する環太平洋合同演習リムパック の一環として、実際の海兵隊員をオペレータに水などの物資を運ぶ補給演習に参加しています。実際の様子とオペレータのコメントは続きの動画をどうぞ。


米軍の LS3 (Legged Squad Support System)は、米国防高等研究計画局 DARPAの主導でBoston Dynamics 社が開発した荷役用四足歩行ロボット。かつて YouTube で、あまりにも生物的な動きが「キモかわいい」「いやキモ怖い」と話題になった BigDog の大型化バリエーションモデルにあたります。

ハワイでの演習の様子を掲載したリンク先 DVIDS によると、実際にオペレータを務めた海兵隊員 Brandon Dieckmann 上等兵(Lance Corporal) はかつて YouTube で BigDog の動画を見かけたことがあり、当時はまさか自分がそのオペレータになるとは考えてもいなかった、と語っています。

Dieckmann 上等兵のコメントでは、現時点の LS3 は海兵隊員が徒歩で移動できる地形の70から80%を踏破可能。自律動作で障害物を避け、オペレータに追従します。またときには転倒することがあり、多くは自力で立ちあがるものの、立ち直れない場合でも海兵隊員一人で楽に元に戻せるよう設計されているとのこと。

また別のオペレータ Huberth Duarte 一等兵によれば、LS3のオペレータ用コントローラはジョイスティックを備え操作は容易に学ぶことができ「まるで Call of Duty のよう」。( Call of Duty は人気のミリタリー系一人称シューティングゲームシリーズ。念のため)


(こちらはBigDog プロトタイプ動画。滑った後にバランスをとって立ち直る様子に注目)




(こちらは 2013年、BigDog にゾウの鼻のような「腕」を取り付け、コンクリートブロックを投擲させた様子。ロボットアームをくっつけただけでなく、脚も使った全身の重心移動も利用して投げている点に注目)


これまで話題になった BigDog 動画の多くはいかにも実験室内だったり、屋外でもエンジニア然とした普段着の男性に蹴られてすべるなど愛嬌が感じられないでもありませんでしたが、屋外の演習場で制服の海兵隊員に率いられる様子にはもともと軍用ロボットだったことを改めて思い起こさせます。

なお開発元の Boston Dynamics は、BigDog のほかヒト型の ATLAS、BigDogとは比較にならない高速で疾走する WildCat なども手がける生物模倣ロボットの大手。2013年には、ロボット技術に力を入れる Google によって買収されています。