水曜日, 12月 11, 2013

効果的なブレインストーミング

効果的なブレインストーミング。あなたのクリエイティビティを限界まで引き出す方法

 

昨日、久しぶりにブレインストーミングをやった。
 まあいわゆる「ブレインストーミング」と名付けられた会議には出てはいたけど、その手の会議は結局声の大きい人間が雑談をして終わるケースが多い。
 黙っていることが出来ないアメリカ人向けに作られたブレインストーミングのルールを、何の疑問も抱かずに日本人に適用しても充分なクリエイ ティビティを引き出すことは出来ない。日本人は発言するのが苦手だし、質問だってなかなか上手く出来ない。授業を一時間やれば質問が10も20も出てくる 欧米の大学生と、いくら聞いても全く質問をしてこない日本の大学生では意識の高さが違うし、そういう人たちに同じ方法でブレインストーミングをするなんて 不可能だ。味覚だって違うのだから、クリエイティビティを引き出す方法だって同じなはずがない。

 欧米型のブレインストーミングを日本でやっても、クリエイティビティは半分しか発揮されない。
 せっかく多様な人をつれてきて、アイデアを出し合おうという場所でも、やはり声が大きくてその場を支配する人というのが生まれて来てしまう。

 僕が以前書いた「ネットワークゲームデザイナーズメソッド」という本では、あめ玉を用意してブレストを進行する方法を紹介したけれども、あのあともっと効果的なブレインストーミングの方法を見つけたので紹介したいと思う。

 ブレインストーミングを雑談形式でやるときの問題点は何かと言うと、声が大きい人や人間関係がハッキリしている場合に意見をなかなか出し辛いという問題がある。

 特に一般的に良く言われているブレインストーミングのルールである「他人の発言を否定しない」は、実際には逆効果だ。物事の多面的な視点を手に入れるために多様な人材を集めているのに、演繹でどんどん関係ない方向に話が散らかって行ってしまうことになる。

 むしろ「Aという視点」と反対の「Bという視点」の両方が必要なのであり、物事の多面的な見方を獲得する必要がある。
 また、多くの場合、ブレインストーミングで脳が活性化されるのは参加者の一部だけで、たいていの人は聞いているだけとか、発言を促されるまで発言しないなどの問題がある。

 普段よりもクリエイティブになっているのは間違いないけど、これではまだ足りない。

 僕がエニックスの福嶋さんから直々に習った脳の能力を限界まで引き出すブレインストーミングは以下のようなルールによって行われる。

 元々習ったのは発散するブレインストーミングだけだが、収束させるのためのブレインストーミング法も僕が考えたものがあるので、両方を紹介しよう。

 どちらも付箋紙の束とペン、そしてホワイトボードを使って行われる。

発散するブレインストーミング

  1. 全員に付箋紙の束とペンを配る
  2. ホワイトボードにテーマを書く
  3. よーい、スタートで、20分にセットしたタイマーをスタートし、ブレインストーミング開始
  4. テーマに沿って思いついたものを付箋紙に書いて行く
  5. この間、私語や内職(他の仕事のメールを見るなど)は一切厳禁
  6. 20分後に作業終了
  7. それぞれの人間が書いた付箋の束をあつめる。
  8. それぞれの人間が自分の思いついたアイデアを発表しながらホワイトボードにまとめていく。アイデアが被った場合は重ねて集約してしまう

収束するブレインストーミング

  1. 全員に付箋紙の束とペンを配る
  2. よーい、スタートで、20分にセットしたタイマーをスタートし、ブレインストーミング開始
  3. 先の発表を踏まえ、良いと思ったアイデアを採用し実現するためには何が必要なのか付箋に書き出す、
  4. 私語、内職厳禁
  5. 20分後に作業終了
  6. それから、書き上げた付箋を各人が優先順位をつけて有限個に絞る。例えば15個とか、20個とか、予め決めておく(そうすればそれ以上のアイデアを考えなければならないというノルマになる)
  7. 各人がホワイトボードの前に立ち、自分の考えたアイデアを優先順位に従って発表する

 このやり方の利点は、文字通り全員が限界までクリエイティビティを発揮するモードになるということだ。
 20分は長すぎると思うかも知れないが、必要な時間である。
 というのも、人間はまず何か新しいことを考えてみろ、思いついたことを書いてみろ、と言われても、すらすら出てくるのはかなり頭の柔らかい人間でも5分が限界で20分もその状態を持続することができない。

 ところが人間の脳は、あるクエリー(質問)が投げかけられると、同時並行にいくつも考え、かなり遅れてから答えが見つかる場合がある。それを引き出すのが20分という時間のミソだ。

 だいたい最初の5分でバババッと書いて、テーマによってはそこで行き詰まってしまうことがある。そのとき司会者は気が弱くなって「ああ、こ のへんでやめにしようか」と思うけれども、決してやめてはいけない。そこから5分や10分は空白の時間ができてしまったとしても、15分後に突然それまで 全く意識していなかったようなアイデアを思いつくケースはかなり多い。そのとき初めて「自分はこれまでクリエイティビティを充分引き出して来なかった」と いうことに気付くだろう。

 アイデアを発散させたら、収束させるブレインストーミングをやることも大事だ。
 つまり、通常のブレインストーミングのルールでいわれる「他人のアイデアに乗っかる」ということを意識的に行うのである。

 「他人のアイデアに乗っかってみろ」と言っても、結局考えるペースは人ぞれぞれなので、自分なりにアイデアAについて考えているうちに、頭 の回転の速い人がA'を提案し、それが自分の考えていた発展的アイデアA''と反対方向の意見だとすると、ブレストのルール「他人の意見を否定しない」に 抵触して結局はアイデアが埋もれてしまうことになる。

 だからこれも時間をとって、熟孝型の人と高回転型の人の両方が平等に「他人のアイデアに乗っかる時間」を意図的に設けるべきで、さらに数を制限させ優先順位を付けさせることで、各人のスタンス(前回の議論の何を重視し、何を切り捨てるか)が明確になる。

 このやり方はとても効果的なので、ぜひブレインストーミングをする機会があったら騙されたと思って試してみて欲しい。普段大人しくてなかなか喋らないような人も、このやり方なら自分のアイデアを熟孝した上で発表できる。そこに思わぬ発見が必ずあるだろう。