水曜日, 10月 16, 2013

朝顔や草がコンクリートの壁からのぞく

精緻に模した木彫の朝顔や草がコンクリートの壁からのぞく、という現代美術の作品。





慶 應SFCの坂井研の冬ゼミで金沢に行ったときに「金沢21世紀美術館」で、「廊下や美術館の外の庭」 などまさか作品展示とは思えなかった場所に、「本物と見分けがつかないほど精巧に草花を木彫で作った植物」が点在していた。学芸員の説明が無ければ、おそ らく僕も気がつかなかっただろう。それもそのはず、須田悦弘さんは通常作品が展示されることのない「ふとした場所に設置する手法で知られる作家」だ。彫刻 家と呼ばれることを須田さんがまったく否定する通り、彼の作品の最大の特徴は、木彫そのものの繊細さはもちろんのこと、思いがけない空間を作り出し、忍ば せる見せ方にある。(画像にあるコンクリートから出ている朝顔や草が木で彫られた植物に見えますか?)

(須田悦弘さんの語り)
「空間にひっそりと咲く、木彫の花々。」93年から作品を発表していますが、木で作った 植物を空間に展示するというスタイルは変わっていません。基本的には、好きなものを作り続けている、作りたいものを作っているだけです。ある場所に、ある 筈のない、あるものと、ある時を、ある場合にのみ、存在させるその「あるもの」が、今のところ私には木で彫られた植物なのです。
http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_19104/pid_2.html

須田さんの手法は、その展示方法にあります。精緻に植物を模した木彫を、展示室に堂々と構えるので はなく、隠れるようにしてふとした場所に潜ませることで、「どうですか?あなたたちに真贋がわかりますか?」と問いかけているようにも思える。美術館や ギャラリーなどで展示をする場合、普段あまり注意を払わないような壁や床、天井などに、作品をさりげなく自然に設置しており、観る者の意表を突く空間を作 り上げています。(これを探すのも面白い)皆さんも須田さんの展覧会に行くときには、どこにあるのか、探してみてくださいね!気がつくかな?僕は残念なが ら気がつかなかった。