月曜日, 2月 25, 2013

Google Chromebook Pixel 発表。Core i5 & LTE対応


Google が12.85インチ 2560 x 1700 という高精細タッチ画面を採用したChrome OS ノート Chromebook Pixel を発表しました。

従来の Chromebook が教育機関や法人向けに安価なハードウェアを採用していたのに対して、Chromebook Pixel は Core i5プロセッサや上位版で内蔵 LTEなど、一般的なメインストリーム以上の仕様を備えます。
Chromebook Pixel handson
Google の Chromebook といえば、クラウド前提の Chrome OS によるセキュリティと使いやすさを訴求することで、従来は主に教育機関や法人向けの安価な製品を中心に展開してきました(200ドル~300ドルくら い)。

しかし Chromebook Pixel は、MacBook Pro Retina ディスプレイモデル(13.3インチ2560 x 1600, 227ppi)をも凌ぐ 2560 x 1700 ピクセル239ppi の高精細かつタッチ対応のディスプレイを採用します。(従来の Chromebookは、13インチ1366x768程度が標準)。

また既存 Chromebook が Celeron など安価なプロセッサを載せているのに対して、Chromebook Pixel はメインストリームのノートPCと同等の 1.8GHz 駆動 Core i5 を搭載します。


Google によれば、Chromebook Pixel は「考えうる最高のコンピュータ」を目指して、あらゆる要素を白紙の状態から考え直すことで生まれた製品。従来の Chromebook が「ウェブアプリには必要十分で楽に使えて、2台目として買いやすい安価なコンピュータ」として成功を収めたことを踏まえ、次世代の Chromebook を象徴する製品として、ハードウェア・ソフトウェア・筐体デザインともにベストを求めたとしています。

2560 x 1700 (3:2)というめずらしいアスペクト比も、ウェブやウェブアプリの使い勝手を考えて、一般的なノートの16:9や16:10より縦を広く確保したかった ため。

(Chromebook が売られていない日本ではピンと来ませんが、Googleはたとえば昨年発売のサムスン製 Chromebook が発売以来125日に渡って Amazon.comのノートPC部門#1 ベストセラーを維持していたり、英国最大の家電小売チェーン Currys PC WorldではノートPC売上全体の10%以上をChromebookが占めるといった例を挙げて、Chromebook の成功をアピールしています)。



Chromebook Pixel の主な仕様は、12.85インチ2560 x 1700 タッチ液晶ディスプレイ(輝度400cd/m^2)、Core i5プロセッサ (1.8GHz 2コア)、4GB RAM、32GB / 64GB SSD。インターフェース類は SD / MMCスロット、USB 2.0 x3、ミニDisplayPort、前面HDウェブカメラ。無線は 802.11n、Bluetooth 3.0、上位モデルにはLTE。

重量は約1.5kg (3.4ポンド)、5時間駆動の59WHrバッテリー搭載。

筐体の外観も、いかにも汎用の安価なノートといった風情が多かった従来の Chromebook に対して、たしかにイチから起こしたと思える極端なシンプル&ミニマムデザインです。(「アルミユニボディでシンプル」の時点で MacBook Pro をはじめ他社の同クラス製品と似てはいますが、特徴的なのはあの「背面中央にどーんとメーカーロゴ」すら省いていること。chromeロゴは開いたヒンジ 部分にあります。

アイコン的なデザインは、天板手前部分の細いライン。Chrome や Nexus 風のマルチカラーでさりげなく光ります)。

(商品として妥当な範囲内で) 最高を目指したわりに32GB / 64GB SSDとは何事かとも思えますが、これは Chromebook / Chrome OS がもともとローカルストレージをキャッシュ的に使い、クラウドを常時バックアップかつマルチプラットフォームでアクセスできる主ストレージとして使う思想 から。ローカルSSDが小さい一方、購入すると Google Drive の1TB使用権が3年分付属します。また上位の LTE 版には、月100MBまでは無料のLTE通信プランが付属。


Google Chromebook Pixel は、32GB SSDのWiFi版が 1299ドル、64GB SSD のWiFi / LTE版が 1449ドル。米国ではすでに Google Play ストアから購入可能です。出荷はWiFi版が来週、LTE版は4月予定。

クラウドやモバイルブロードバンドの普及など、パーソナルコンピューティングを巡る大きな変化に対する Google の回答として開発されたことは疑いありませんが、社員がどいつもこいつも MacBook Pro を使っている状況をなんとかしたかった理由もあるかもしれません。Chrome OS についてはタグ:Chrome OS|Chromebook を参照。